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すごいね、もう。何について歌っているのか、知りたいとも思いません。最高です!
事前にはハードロックのバンドとだけ聞いていたので、キンキン声のスターなヴォーカルとそのバックバンド(ありがちですね、っていうか俺の偏見もひどいもんだが)だったらイヤだなあと思っていたのだが。
ギター×2本、ベース、ドラムにヴォーカルの男5人。アメリカ南部風ロックンロールをひたすら骨太にキメまくってくれるバンドである。
MCでは再三自らを「バカバンド」と名乗っていて、そのイメージが定着していそうだったが、僕はただそれだけのバンドとは思わない。
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自分達が楽しむと同時に、彼らの聴く者たちに対するサービス心、ひとりでも多くの人に楽しんでもらおうという心意気が、ステージと客席の間に真に平等な幸福と笑いをもたらしている。
演奏の中身についても、バンドとしての鍛錬がなされているに違いないと思う。
例えをひとつだけ挙げる。いくつかの曲で、サビをメンバーみんなでコーラスするところに醸し出されるぶっきらぼうだが色気を感じさせるところ。
こういうことって簡単なようでなかなかうまくいかないハズなのだ。
僕はそのようなところに彼らの生真面目ささえ感じる。 |
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楽しませてもらったお礼にもっとヨイショしておきます。
このジャンルの王道である「セックス、ドラッグ、ロックンロール」の世界観にものすごく忠実な彼らのあり方は、大好きな音楽に対する彼らなりの信仰心のようだ。
実際、彼らのようなスタイルのバンドは、今や本国でもなかなか陽の当たる所にはいないと思う。
それでも自らが信じるものに殉じるかのような彼らの姿はすがすがしくさえある。
そして同時に聞く側にも楽しいひとときを与えてくれるのだから、これ以上何を彼らに求めよう? |
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以下、敬意を表して書いておきます。
「神様の勘違いで福岡に生まれてしまったテキサスのロックンロールバンド」
バンドのロゴが入ったベスト、欲しくなりました。
TEXT
: 溝口智之 |
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